BeReal(ビーリアル)は「リアルな日常を共有する」ことをコンセプトにしたSNSで、毎日ランダムな時間に届く通知から2分以内に写真を撮影・投稿するのが特徴です。
シンプルで面白い仕組みですが、その裏側で意外と知られていないのが「連絡先同期」機能の存在です。
この機能は友達を見つけやすくする一方で、使い方によってはプライバシーのリスクが生じる可能性があります。
本記事では、連絡先同期の仕組み、通知の有無、リスクと安全な使い方を詳しく解説します。
連絡先同期とは?
連絡先同期とは、スマートフォンの電話帳に登録された名前や電話番号をBeRealアプリと照合し、すでに登録している友達や知人を探せるようにする機能です。これにより、ユーザー名やプロフィール検索をしなくても、自動的に友達候補を見つけることができます。また、電話帳に登録されている人の中で、まだBeRealを利用していない相手も把握できる場合があり、新しい利用者とのつながりのきっかけになることもあります。
同期を行うと、アプリは一時的に電話帳のデータ(名前・電話番号)を読み込み、暗号化してBeRealのサーバーへ送信します。この暗号化プロセスにより、第三者がデータを傍受しても内容が判読できない仕組みになっています。サーバー側では、既存のBeRealユーザーのデータと照合し、一致した場合に「友達候補」として表示します。さらに、一部のケースでは、共通の連絡先を持つ第三者が「おすすめユーザー」として表示されることもあり、思わぬ人との再会や新しいつながりを生む可能性もあります。
同期すると通知は届くのか?
結論から言うと、同期を行った瞬間に相手へ直接的な通知は届きません。つまり、「〇〇さんが連絡先を同期しました」というようなポップアップやアラートが相手のスマホに出ることはありません。これは、同期自体がアプリ内部で静かに行われるためで、同期を開始しただけでは相手に気づかれる心配はほぼありません。
しかし、注意すべきはその後の流れです。同期によって友達候補に表示された相手へ友達リクエストを送信すると、その瞬間に「〇〇さんから友達リクエストが届きました」という通知が相手に届きます。また、相手がBeRealを開いたときに「友達候補」リストにあなたが表示されることがあり、これによって「連絡先を同期したのでは?」と間接的に察される可能性があります。さらに、候補表示は何度も見られることで印象に残りやすく、相手が利用開始時期や関係性を推測するきっかけになる場合もあります。特に過去の知人や元同僚、仕事関係者など、再びつながりたくない人がいる場合には、この間接的な“気づかれ”を避けるために同期機能を慎重に利用することが重要です。
連絡先同期のメリット
- 友達を探しやすい:電話番号が一致していれば、自動的に候補に表示されます。特に、普段交流のない人や、久しく連絡を取っていない知人とも簡単につながれる可能性があります。
- 検索の手間が省ける:ユーザー名やプロフィール検索が不要になります。名前のスペルや記号の有無などを気にせず、登録情報が一致していれば即座に候補として表示されるため、探す時間を大幅に短縮できます。
- 新しい出会いのきっかけ:友達の友達や、昔の知り合いと再びつながるチャンスになります。さらに、共通の連絡先を通じて新しいコミュニティやグループに参加するきっかけとなり、交友関係の幅を広げる可能性もあります。また、最近BeRealを始めた人をすぐに見つけられるため、アプリを通じた初期の交流もスムーズに行えます。
連絡先同期のデメリット・リスク
- 知られたくない相手に存在がバレる可能性:特に旧知の人や取引先、職場の人などに、意図せず自分のアカウントが友達候補として表示され、存在が知られてしまう危険があります。過去の人間関係によっては、再接触が望ましくない場合もあるため注意が必要です。
- プライバシーリスク:電話帳データがサーバーに送信されるため、暗号化処理が施されていても仕組みを理解せずに使うと不安を感じる人もいます。特に仕事用スマホや顧客情報が登録された端末で同期する場合、管理面でのリスクが増します。
- 誤解を招く可能性:相手によっては「なぜ自分を探したのか」と疑念を持たれる場合があります。たとえば、長期間連絡を取っていない相手やビジネス関係者が候補に出てきた場合、意図しない印象を与えることもあります。
- 情報の二次利用の懸念:サービス提供側が利用規約やプライバシーポリシーに基づきデータを分析・活用するケースもあり、これに抵抗を感じるユーザーも少なくありません。
- 意図しない人間関係の広がり:共通の連絡先を介して第三者に存在が知られることもあり、交友関係が自分の意図しない方向に広がってしまう可能性もあります。
通知と「友達候補」表示の仕組み
- 同期時:直接通知はなし。同期が行われた事実は相手に即座には伝わらず、アプリ内部で静かに処理されます。
- 照合後:一致したユーザーが友達候補として表示される。候補はプロフィール画面や友達追加画面に表示され、相手がこのリストを開いたときに初めて存在を認識する可能性があります。
- リクエスト送信時:相手に「〇〇さんから友達リクエストが届きました」という通知が届く。これが唯一、確実に相手に存在を知らせる直接的なタイミングです。
- 候補からの認知:相手が候補を見たときに存在が知られる可能性あり。候補に繰り返し表示されることで印象に残り、間接的に同期が察される場合もあります。また、相手が候補リストに表示された日時や頻度から、関係性や利用状況を推測することも可能になるため、予期せぬ誤解を生む可能性があります。
安全に使うための設定方法
- 同期オフの設定
- プロフィール画面 → 設定 → プライバシー → 「連絡先同期」をオフにすることで、意図せぬ表示や通知のリスクを減らせます。特に初期設定時に無意識のままオンになっている場合があるため、アカウント作成後すぐに確認することが大切です。
- 一時的な同期
- 必要なときだけ同期し、作業が終わったら必ずオフに戻す。例えば、新しい友達を探したい時だけオンにし、目的が達成されたらすぐにオフにすることで、不要な候補表示やバレるリスクを最小限に抑えられます。
- 電話帳の整理
- 同期前に不要な登録や古い番号を削除しておく。古い連絡先や仕事上の一時的な連絡先が残っていると、意図せぬ人に自分の存在が知られてしまう原因になるため、同期前の整理は非常に有効です。
- 別アカウントの活用
- プライベート用と公開用を分けることでリスクを減らせます。特定の人だけに見せたいアカウントと、幅広く公開するアカウントを使い分けることで、プライバシーを確保しつつ交流範囲をコントロールできます。また、仕事とプライベートを明確に切り分けられるため、誤解や不要な接触を防ぐ効果もあります。
- 同期履歴の確認
- 設定画面やアプリの権限管理で、いつ同期が行われたのか、連絡先アクセス権が有効になっているかを定期的にチェックし、不要であれば即座に解除します。
実際のユーザーの声
海外掲示板Redditなどでは「同期しても通知は来ない」という意見が多数派で、安心して利用しているユーザーも多く見られます。しかし一方で、「候補に出てきたことで存在がバレた」という体験談も少なくありません。中には、長らく連絡を取っていなかった元恋人や、疎遠になっていた知人に予期せず見つかってしまい、気まずい再会を果たしたという事例もあります。また、同期直後に候補として表示されたことがきっかけで、意図していなかった人間関係が再び動き出してしまったという声もあり、利便性とプライバシーのバランスをどう取るかが重要であることが分かります。さらに、一部のユーザーは「便利だけれど、使いどころを間違えると人間関係がこじれる可能性がある」と指摘しており、活用には慎重な判断が求められます。
まとめ
BeRealの連絡先同期は便利な反面、意図せず自分の存在を知られてしまう可能性がある機能です。直接通知はされなくても、友達候補やリクエストを通じて相手に気づかれることはあります。利用する際はオン・オフを状況に応じて切り替え、電話帳の整理やアカウント分けなどの工夫を取り入れることで、プライバシーを守りつつ安全に活用できます。